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日本食を背景にした近年の世界的な「緑茶ブーム」で、日本の緑茶輸出量は伸びている。だが、世界で輸出入される緑茶のうち日本産は1%以下にすぎず、国が2020年の目標とする茶の輸出額150億円は大手茶商1社の年商に及ばない。国内の輸出参入者が急増している今、海外の市場開拓が急務になっている
欧州に抹茶を輸出する県西部の茶商は「海外では色も香りも劣る“抹茶もどき”だらけ。粉末なら何でも抹茶になってしまう」と危惧する。品質だけでは世界市場で勝てない現実が浮かび上がる。
海外での知名度と単価が高い抹茶は有力な商材。日本文化として「クール(格好良い)」なイメージがある茶道に通じ、商品そのもののストーリー性は申し分ない。だが、世界を席巻するのは他国産の「MATCHA」だ。インドなど主要な茶生産国では、紅茶を緑茶に切り替える動きが活発になっている。
米国や台湾、EUといった主要な輸出相手国・地域は、使用可能な農薬ごとに残留基準を定め、基準値を超えた場合に販売を禁止する「ポジティブリスト制度」を採用している。日本で普及していても相手先のリストに記載がない農薬は、そもそも使用できない。特にEUは日本国内の基準値より、はるかに厳格な数値を設定する。欧米などに茶を輸出する県中部の茶商は「安全性は高いが効果が限られる農薬を組み合わせる慣行が、輸出ではあだになっている」と指摘する。残留農薬基準は各国が国内に流通する作物を想定して定めている例が多いため、輸出相手国が茶の生産国でない場合、日本で茶に使われている農薬成分がリストに掲載されていないことが多い。
農林水産省は15年度当初予算案に茶の輸出支援策として約15億円を計上。国内で使用する農薬を他国のポジティブリストに掲載してもらうため、必要な栽培試験のデータ作成費用を助成する。ただ、「効果が出るには時間がかかる」(担当者)。
国内の緑茶消費減少を受け、海外市場に活路を見いだす生産者や茶商が増えている。参入者の急増は限られた販路を巡る国内業者同士の過当競争、残留農薬基準の違いによるトラブルなどを引き起こしている。進む先はバラ色でない。
紅茶の最大の生産国はインドで、次いでスリランカ、以降ケニア、トルコ、インドネシアと続く。中国は茶の生産全体ではインドとスリランカの間に入るが、緑茶と区別した統計がないため、詳細は不明である
一般に高い標高の冷涼な環境で栽培されるものには、香りの優れたものが多く、強い日射の低地で栽培されたものに味に優れ(ただし、比較的アクの強いものとなる)、水色の濃いものが多いとされる。ダージリン、ウヴァ、キーマンなどは前者に、ルフナ、アッサムは後者に入る。一般に前者のものが高価である。近年では強い渋味を好む中近東地域で低地産紅茶の消費が増えている。
スリランカでは製茶工場の標高により、1,219m (4,000ft) 以上のものをハイ・グロウン、610m (2,000ft) 以下のものをロウ・グロウン、その間のものをミディアム・グロウンと区別している。
収穫期によっても品質は変化する。
ダージリン紅茶の場合、一番茶の採れる3・4月には、香りの優れた緑がかったもの、続く5・6月には味・香りともに優れたものが採れる。7・8月の雨期には香りのない低品質のものとなる。9・10月に採れる秋茶は主にブレンド用とされる。
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